注意:黒金前提ですが、描写は黒×オリキャラです。
話の舞台を銀英伝原作と設定しておりません。あくまでパラレルです。
蜃気楼1
ほら、見てごらん?と軟らかい椅子に座らされた俺は目の前の鏡に写った自分を見た。目の部分を避けて顔すべてを白い包帯で覆われた頭。薄い青色をした瞳だけがぎょろぎょろと動いている。俺は後ろに立つ男をみた。闇色に近いダークブラウンの髪と、左右違う色をした切れ長の瞳。左の青い宝石と右の漆黒。彼は俺の包帯に手をかけた。するするとほどいていく。視線を、俺は鏡に戻した。
まず目に映ったのは、うねった金色。癖毛だろうか?つやつやと光を放つほどのそれが俺の頭を覆い隠している。そして肌、うしろに立つ彼よりもさらに白い、肌。髪と同じ色の眉と少し冷たい印象を受ける目の形、通った鼻筋、血色のいい頬と唇。俺はその容姿に驚いて唇を動かして息を漏らした。漏らしたときに見えた白い歯と真っ赤な舌になぜか赤面して、俺は唇をつぐんだ。
「どうした?」
優しい声で言われて俺は目を伏せた。
「恥ずかしい……俺…」
彼の大きな手が俺の頬をなでた。
「声まで…全く同じだ。」
「…へ?」
「いや、なんでもない。」
彼は微笑んで、俺の身体を抱き締めてくれた。
俺は戦争孤児だった。住んでいた孤児院が爆撃を受けたときに顔の表面を焼かれて目の前が何も見えなくて、一人わめきながらさまよっていたところを助けてくれたのが、この人、オスカー・フォン・ロイエンタールだった。彼も軍人でかなりの地位にいるらしいけれど、俺にはよくわからない。彼は彼のことをあまり俺には話してくれなかった。
彼は俺を手術してくれると言った。けれど、それは彼の趣味であって俺には拒否権はあると、そういうことを言われたけれど俺にはもうほかに行くべき場所がなかったから彼に全て従うと誓った。
彼は俺に新しい名前をくれた。聞きなれぬ名前だったけれど、彼がこの名前で俺を呼ぶときのあの優しさに満ちた表情が大好きだから、俺は彼に呼ばれると喜んで走っていってその腕に抱きついた。
包帯をとって、一週間。自分の顔にまだ慣れなくて、鏡を見るたびに少しだけ照れてしまうけれど、この顔が彼は本当に好きなのだろう。彼は俺の頬を撫でて髪に唇を落とし、何度も何度も綺麗だと呟いた。
包帯をとったその日から、夜は同じベッドにいれてもらえるようになった。
真っ白でとても大きなベッド。こんな豪華なベッド、孤児院になんて絶対になかったから最初寝転んだときはその軟らかさに驚いた。どこまでも沈んでいくのではないかと言うほど優しく身体を包みこまれて、そのまま睡魔が襲ってきて眠ってしまいそうになったところを、ロイエンタールさまに後ろから抱きすくめられて目をさました。驚いて、どうしようかと思案していると、大きな手がそっと俺の首筋を撫でて耳もとで名前を呼ばれて俺は鳥肌をたてた。普段聞く、優しい声とは少し違った。ねっとりと身体にまとわりつくような、でも全く不潔な感じのしない、いままで聞いた誰よりも心地いい声だった。
「ろ、ロイエンタールさま…?」
「嫌か?」
「いや……じゃないです…」
正直な気持ちだった。嫌なんかじゃ、なかった。俺は彼のことが好きだったし、彼に抱かれるならこれは喜ぶべきことなんだと思った。俺は今まで生きてきて、初めて人から必要とされていると感じた。嬉しくて、嬉しくて泣きそうなほど。
「こちらを向け。顔が見たい…」
言われて俺は、照れながら身体を反転させた。目を伏せていると、顎を掴まれ上を向けさせる。ロイエンタールさまの綺麗な瞳と目があって、その目に見惚れているうちに唇を吸われた。キスは初めてではなかったけれど、こんなにも刺激的なものは初めてで舌をいれられたのも初めてだったからどうしていいのかわからずに思いきり目を瞑って全身に力をいれた。少しだけ恐い。彼は俺の舌に舌を優しく絡めて、唾液をたくさん流し込んまれたから俺は夢中で飲み込んだ。ロイエンタールさまの唾液だ、とそう思っただけで俺は身体を熱くした。血脈の流れが速まって、下へ下へと集中していく。真ん中が、痛いほどに熱くて、すごく恥ずかしい。ロイエンタールさまは唇をおはなしになると、俺の首筋を舐めて、バスローブの腰紐を引っ張られた。はだけられた胸元にやさしく触れられて、鎖骨に噛みつかれて、俺は短く悲鳴をあげた。あげてから恥ずかしくて両手で唇をかくすと彼は微笑んで、もっと聞きたい、とおっしゃった。
「もっと聞かせなさい、ハルト。」
耳元でそうおっしゃった彼は耳たぶに噛みつかれ、胸の突起を指先で摘まみあげられて俺はたまらずに声をあげてしまった。
「ん……んぁあッ、いやぁんっ…」
「可愛い声だ…」
彼は俺のバスローブを脱がせて乳首に優しく噛み付かれながら下着の上からすでに硬くなったものに触れられた。俺の身体が跳ねる。
「ひぅうッ」
「いい子だ、気持ちいいか?」
大きな掌で布越しに触られるだけで俺のそこは益々大きくなって、とろとろと先走りを漏らす。湿ったそこに下着がまとわりついてくるのが嫌で俺は身をよじったが、ロイエンタールさまは手を放してはくださらない。放すどころか、彼は下着をひっぱりおろして俺の汚いそこを直接握って、部屋に卑猥な音が響いた。これは、俺の身体がだした音だ。そう思うとすごく恥ずかしくて申し訳がなくて、俺は小さい声でごめんなさい、と呟いた。
「何が、ごめんなさいなんだ?ハルト。」
「だって……だってもうこんなに…」
「濡らしている。」
指摘されてますます身体が熱くなる。
「耳まで真っ赤だぞ、ほら…謝る必要なんてないじゃないか。気持ちいいんだろう?」
「すごく……」
俺は言った。すごく、いいです、と。
ロイエンタールさまは、一瞬ふっと笑って俺の耳元で優しく呟かれた。
「俺もだ、ハルト。俺も気持ちいい。」
「ッ……」
予想していなかった言葉。俺だけが気持ちいいんだと思っていたのに、こんなに熱っぽい声で言われて俺はその言葉だけで達してしまった。彼の綺麗な掌の中に欲を吐き出して、少し驚いたような顔でロイエンタールさまは俺の股間を眺めた。
「ぁ……ご、ごめんなさい…」
半泣きになって俺は謝罪する。ロイエンタールさまの表情はしかし次の瞬間、またいつもの優しい顔になった。
「かまわん。気に病むことはない…」
おっしゃって、白く汚れた掌を俺に見せ付けるように舌で舐めとった。目をそらすと、ちゃんと見なさい、と怒られて仕方なく視線を戻す。
「甘いな、すごく。お前の出したものはすごく甘い。」
「す、すみません…」
「先ほどから謝ってばかりだな、お前は。」
「…ごめんなさい…」
「そんなに謝ることはない、ハルト。謝るよりももっと……俺を気持ちよくさせてくれないか?」
「ぇ…?」
どうやって?聞こうとして俺は息を飲み込んだ。ロイエンタールさまの指先が、俺の股間よりももっと汚い後ろに触れられて、しかもさらに指先が入り口を押し入ってくるのを感じて俺は震えた。
「ひやぁッ…」
中でくいくい、と何かを探すように動く長い指。毎朝、真っ白なコーヒーカップを持ったり、新聞をめくったりしているあの白くて長い指が今、俺の直腸内をひっかきまわしているんだと想像して俺はまた興奮した。
「気持ちいいいか?ハルト。」
声をかけられながら増加する圧迫感。指が増えているんだと気づいたときには相当な数になっていたみたいで、それぞれの指が別の生き物みたいに中で蠢いていてまるで蛇のようだと思った。細くて小さな蛇、もしくはミミズが俺の直腸内を這い回っていて、俺はそんなものに対して汚くて下劣な喘ぎ声をあげている。そう、そういうことなら納得できた。なのに、真実はもっと卑猥でエロティックで甘美な夢。俺の中で俺を乱しているのはロイエンタールさまの指だ。
「ぁっ、ひやぁあんッ…」
性器の先から垂らした涎が太股や肛門にまで流れてきたときに、ロイエンタールさまはその美しい指を全て引き抜かれて、かわりに彼自身の熱く猛ったものを入り口にあてがわれた。まさか、まさかそんなこと、と俺は思ったけれどそれ以外に何があるだろうとも思った。
「挿れるぞ、ハルト。」
ロイエンタールさまは言葉とともに俺の腰を両手でそっと掴まれて、腰を進められた。ずぶずぶと濡れた音がなって、亀頭の部分がめりめりと中へ侵入してくる感触を全身で感じながら俺は喘いだ。苦しくて、目がすごく熱くて視界が霞む。
「ぁ゛ッ……あがぁッ…」
「力を…抜け、ハルト。」
掠れた声が聞こえて、ロイエンタールさまがそっと俺の目じりに手をそえていつのまにか零れていた涙をぬぐってくださった。
「痛い?苦しいか?」
「だ、いじょうぶ…です…」
かろうじて答える。ロエインタールさまは俺の鼻先をそっと甘噛みされたあとに、耳に舌を挿入なさった。自然と吐息が漏れて力が抜けた。その瞬間、いっきに貫かれて、俺は女みたいな声を出した。
「きゃぁあっ!?」
「全部入った…ハルト、ほら、これで全部だ。」
内壁を押して、全てを占領されたような感覚が生まれる。
「動くぞ。」
短くおっしゃって、彼は俺の唇に唇を重ねながら、抜き差しをはじめた。最初はゆっくりと、一番奥まで挿入して、入り口近くまで引き抜くという動きを繰り返した。速度は、どんどん速くなる。奥を突き刺された時に、俺はぞくぞくと背中に何かが走って、唾液を飛ばすほどに鳴きわめいた。
「ひやぁぁあんッ!!」
「…いい声だ。」
ロイエンタールさまのピストンがさらに激しくなって、しかも俺の一番弱いところばかりを突き上げられて俺は口からも性器からも涎を垂らし続けた。
「ろ、ロイエンタールさまぁッ…」
名前を呼びながら、俺は腕を伸ばして彼の身体に絡めた。身体をくっつけて、さらに奥の奥まで突き上げられる。彼の少し汗ばんだ肌と密着して、首筋から香る香水と汗と火薬と血の匂い。俺は舌を伸ばして、その首筋を舐めた。舐めると、俺の中の彼が少しだけ大きくなった気がして、すごく嬉しくて必死になって舐め続けた。また、彼の性器が大きくなる。
「ハルトっ……出すぞ、中に…」
「ぁっ、あっ…は、い……ロイエンタールさま…な、なかにいっぱい………ひやぁんッ!」
先にイってしまったのはまた俺で、密着していたロイエンタールさまの身体にも俺の精液がたくさんかかってしまった。そのすぐ後で、ロイエンタールさまの動きが一瞬止んで、短く声をお出しになったあと、俺のお腹の中に熱い精液をたくさんお出しになられた。