生理になったとホークアイ中尉に相談したら、過保護が一気に3人に増えた。
「良い?エドワードくん、女性の身体は女性で守らないと行けないの」
黒板に綺麗な『女性のリプロダクティブヘルツライツ』の文字、それからその下に、まるで何か事件の資料か証拠物件かと言わんばかりに堂々と、テープで貼り付けられた小さな四角い何枚かの………
いや、俺の田舎保健体育とか性教育とかなかったからさ、こう…な、写真でとかはじめてみた…。やべ、鼻血でる…。
ねぇ中尉、色んな意味で間違ってると思う、よ?とはまさか怖くて言えない。ホークアイ中尉の表情は真剣そのもの、と言うか本気だ。それから、俺の隣でうんうんと頷いているハボック少尉も熱でもあるのかも知れない。ねぇ、なんなの、アルフォンスまでちょっと何そんな、みんな真剣に。どうしてメモとか取ってるの。
「子供を産む、生まないのはなしじゃないの、一方的なセックス、職場でのセクハラもそうね、女性であれ男性であれ、社会的精神的身体的に良好な状態で生活する権利があるのよ」
「こら、ちゃんと話し聞いとけよ大将」
このたび見事、過保護の会に入会なさっちゃったハボック少尉、付いていけなくて呆然とする俺の頭を左手で軽く突き、右手はホークアイ中尉のなんとも先進的なお話をメモり。そんなまじめにメモとってるところ初めて見たよ。
熱く語るホークアイ中尉。言いたいことはすごく正しいと思う、うん、同感なんだけど、俺どうしてこんな女性の権利集会に?しかも聴衆が3人、全員男って何か違和感ない?
「エドワードくん」
「はい!」
「良いわね?」
ホークアイ中尉の声。今すごく思い出した、リゼンブールにすんでたときに、学校の先生が産休かなんかで休んで、その代わりに来たのがめっちゃくちゃ怖い女の先生で、さすがにその時は、俺もアルも内職出来ずに。キンキン言うんじゃないけど、鼓膜に響いてくる声。
「大佐のことだから、エドワードくんにはそう無理強いはしないと思うの。でも、ね」
ホークアイ中尉がひしっと俺の手を握る。
綺麗な髪が垂れたことより、その鳶色のおっきい目が怖いくらい張りつめていたことより、俺は中尉の胸が揺れた方が気になった。やっぱ、でっかい…
っていうか無理強いとか以前に、後ろの処女まで失くしちゃったんですけどー俺のガラスの十代粉々、なんちって。なんてまさか言えない。ホークアイ中尉は大佐をあくまで女性に対しては真摯だと思っているからあんな事言ったんだろーけどさ、この辺大概、ホークアイ中尉もあの変態を買いかぶってる。あの欲望の権化がそんな態度取るわけねーだろ、……そりゃ中尉はちゃんとした女の人だし美人だし胸でかいし(ってなんでこんな俺胸に拘ってんの)大佐も中尉は大事にしてるのかもしれないけどさ。……いいや、悲しくなるからやめとこ。どうせ元々オトコで片腕片足機械仕掛けの、今も薬の力で中途半端な姿の俺。