六
いや、もうほんとに怖かったんだけど。
三日前の話はもう既に笑い話。喉元過ぎれば熱さ忘れる人間って素晴らしい。とか言いつつ、未だにハボック少尉は眼ぇぎらぎらさせてるし、ホークアイ中尉は常に半眼でホルスターに手ぇかけてるし、大佐は発火布常時装備で、見事東方司令部三大戦力そろい踏み。それ、ナンパ男1人捕まえるにしては大げさすぎやしない?
今日から私の家に来なさいって、アルフォンスの手前すごく格好良くキメたつもりだったんだろうけどさ、下心見え見え。でも素直に付いてきてるから俺も同罪、アルフォンスはハボック少尉に任せて。心配そうなアルフォンス、大丈夫だって大佐が付いてるしって、心にもないことを。やらしい笑いを隠そうともしない大佐、まさか俺がこんな素直に口裏あわすとは思わなかった?ごめんな、できの悪いおにーちゃんでさ。あ、今はおねーちゃんか。
結局男でも女でも変わらない。玄関入った途端抱きすくめられて、悔しいかな少しばかり(見栄)届かない身長、後ろからこの体勢でこられると身動きなんかとれなくて、いつものパターン。エド…とか耳元の妙に色っぽい大佐の声、あんたまたそっち方面のスキル上げたな……どこでレベル上げてるかなんざ知らねぇけどさ。
拗ねたように言うと、君以外とはしてないよと心外そうな声、はいはい判りました、可愛い恋人はそんなこと追求したりしちゃ駄目だよな。シャツたくし上げて、腹の周り這いずる大佐の大きい手、いつの間にか発火布はとってあって、日焼けしていない白い手、そう言えばこいつ顔も白いなー。デスクワークしかしてねぇから…。俺の日焼けした腹の上で(いやー、見境なく脱ぐから焼ける焼ける…紫外線カットとかも気にするべきかねぇ)見事に浮き上がって、そこだけ違う生物みたいに。
「まさか、君がこんなに大人しく付いてくるとは思わなかった」
それ、自分で言ってて悲しくなんねぇのかな。一応俺ら恋人じゃなかったっけか?
「ひゃっ……」
こぶりな胸に顔を埋めて(埋め切れてないけど)ぴちゃぴちゃと乳首を舐められて、小さな悲鳴。
下半身に侵入してくる手、嬉しそうに俺のほっとんど生えてない金色の薄い陰毛、指で撫でて。俺前から思ってたけど、アンタって本当に本物の本物だよな?
「私と一緒にいたかった…?」
不安そうな反疑問系、もっと言い切ったらいいのに。普段見たく、私と一緒にいたかったんだろうって、根拠のない断定。俺、アレ結構好きなのに。なんで肝心なときにこんな…ああ、こんなギャップが女には良いのかな、母性本能くすぐられたりすんのかな。
「ん……」
気持ちいい芽を皮の上から撫でられて、鼻に掛かった声。満足そうに微笑んでキスをする大佐。
「ごめんね、守ってあげれなくて」
「いいよ、別に…」
ん、と息を吐いて、ついでに短く言葉も吐き出す。あんまり長い台詞言うと、変な声出ちまいそうだから。
「やっ…ぁ、あ、ゃあんっ!」
ごめんね、ともう一回呟いてから容赦なく指を突っ込んでかき回されて(もうアンタは違うもんに対して謝れ!特に俺の努力とか)、俺は堪らなくて身体びくびくさせる。長い指が身体の奥の方でぐちゅぐちゅ肉をひっかいて、もう片方が執拗に胸を。
「あっ…つぃ…ゃ、やぁ…」
「ここが気持ちいいんだろう?それとももっと欲しいの?」
指増やされて、中でぐちょぐちょ、えぐえぐ言いながら空気求めて身体そらして、喘ぐ。腰抑えられて、奥まで飲み込んだ大佐の指に、俺の襞が――すごくやらしい妄想で俺の頭ン中はいっぱいで、見たこともないのに、女の性器なんか。
内股に冷たいのが伝うのが感触にぞっとする。一瞬我に返った俺の顔を見て、大佐は極上の笑みで指を引き抜き、ねばねばに糸引いたそれを俺の口の中に。吐き気のする酸っぱい味、あからさまに顔を歪めたら、益々嬉しそうに唇をつり上げる。かちゃかちゃとベルトを外す音。軍服の上からでもテント張っちゃってるのが判る大佐ご自慢の逸物を取り出して、俺に握らせる。あんたほんとに、変態…
「ねぇ、いれてほしい?」
聞くな、馬鹿。上目遣いに睨むと、頬をぺろりとなめられて、じゃあ舐めて、と。素面だったら言ってやるのに。その接続詞の使い方はおかしい。
おっきくて全部口の中はいらないし、開けっ放しの口からはぼたぼた涎もこぼれる。無理矢理頭抑えられて、喉の奥突き立てられ、強烈な嘔吐感。たまらず全力で大佐の身体を押して、吐き出す。げほげほととても可愛いとは言い難い声を出して、涙目。仕方ない子だね、という大佐は言葉とは裏腹に至極満足気。
お尻を出して、と言われて、犬みたいなよつんば、ほんとに盛った雌犬じゃないんだから止めて欲しい。
熱い塊を押しつけられて、あっ…と熱に浮かされた声、同時に先っぽがぬるっと割って入ってくる。
「や、ぁんっ…」
「あったかいね」
独り言のように呟いて、先端部分の出し入れ。すごくもどかしい。
「ちょ、や、ねぇ、ロイー…」
「ん?物足りない?奥に欲しい?」
腰を押さえられて、一気に奥まで。気持ちいいと言うより、子宮まで一気に裂かれるような熱さが。
「ひぃっ…ぁ、…あぁ!」
「エドワード…」
熱に上擦った大佐の声。やだやだ、普段余裕ぶってるくせにそんな声、聞かされたらこっちがイっちまうだろーが…!
もうほんとに、その後記憶とかないんで勘弁して下さい。