Act4☆ラブラブなリザとジャンの前に突然舞い降りた黒い影!
「やあ、私はロイ。お嬢さん、お茶でもいかが?」
輝く白い歯に惚れっぽいジャンはイチコロだった…
リザはジャンの心を取り戻すことが出来るのか?!
次回「ロイはカリスマ看護婦」をお楽しみに!!
リザは至極不愉快だった。
せっかくの休日に、同僚――ジャンと買い物中だというのに、当の彼は突然現れた謎の看護婦に目を奪われてしまっている。
都会の真ん中で真っ白い白衣を着たその人物は、黒い短髪に切れ長の双眸。
身長はリザよりは高いだろうがジャンよりは明らかに小さい。
「大佐……そんな不愉快…じゃなくて、卑猥でセクシーなかっこで何やってんスか!」
「ほら、一緒にお茶でもどうだね、ハボック少尉。」
なぜか脂汗浮かべながら目の前でそんな会話を繰り広げる二人。
リザは数秒見守っていたが、すぐに飽きてしまった。はっきり言って不愉快。
「さて、どこへ行こうか。…おや、中尉いたのかね。」
「すいませんね中尉……でも俺ほんとは大佐とデートしたいんスよ。」
「ははは、モテる看護師は辛いね全く。」
「でも俺を口説いたのは大佐ッスよ…」
内容とは裏腹にどこか冷めた口調の二人を交互に見据え、リザは冷静に、上官である大佐にまずぺこりと頭を下げた。
「ではわたくしは帰宅させていただきます。」
『えぇぇぇえっ!?』
驚いたのは男二人。
二人は実はリザにとめてほしかった。というより、ジャンはリザに嫉妬して欲しいと思い、ロイは逆にリザに嫉妬してもらおうと思っていた。
つまり、デート中に想い人が上官に取られて嫉妬するか、
もしくは、買い物中に想い人である上官が自分の部下を誘うところを見て嫉妬するか。
ジャンとロイは、そういう賭けをしていた。
しかしリザは全くそんな素振りを見せない。
仕事中と同じような、きりりとした凛々しい表情のままである。
リザはロイを見据えたまま、言った。
「そんな変態な格好をなさってまでハボック少尉とデートがなさりたいのなら私はもう止めません。」
「……。」
「ハボック少尉も本気でこんな変態が好きならいいんじゃないかしら?止めないわ。」
「……。」
「では、これで。」
最後のびしっと敬礼をして、どこか逃げるように去っていく、金髪の後姿を、二人の馬鹿男は呆然と見つめていた。
「………この賭けはドローだ。」
ロイが呟く。
「中尉は手ごわいッスね…」
しなびたタバコをくわえたままジャン。
二人はその日いつまでもいつまでもそこに立ち尽くしていたという。
かなり無理があった。(土下座)