Act1☆ふとした瞬間にマスタングに唇を奪われるエド。
マスタング「俺、ずっとお前の事が好きだったんだ」
突然の告白に困惑するエド。それを偶然見てしまうアル。
アル「絶対に許さない
果たしてこの後どうなるのか?!


やけに湿っぽい空気が流れる午後。
日の日差しが一番強くなるべき時間なのに、その部屋はうっすらと暗かった。
電気すら、ついてはいない。
雨雲が覆う空からこぼれるかすかな光だけが、部屋にいる二人の影を作る。
重なる二つの影はどこまでも静かだった。
「んっ…」
長いこと重ねていた唇を離すと、エドは大きく呼吸を再開した。
ぜぇはぁ、とその荒い息が部屋に響く。
「可愛らしいね、鋼の。そんなに真っ赤になって。」
そんなエドを見て、マスタングは笑った。
「るせぇやこの変態佐!エロイ・マスタング!!突然何しやがんだ!?」
「何って…キスだよ、鋼の。私は君のことが好きだったんだ。ずいぶん前からね。」
「なっ…!?」
さらっと言うマスタングに、エドは半ばからだをのけぞらせるようにして驚いた。
その時、がたん、という音が響いた。
驚いて振り返るエドとマスタング。
そこにはエドの弟、アルがいた。
「アル……!!」
エドがぱくぱくと鯉のように口をあける。
「アル…お前いつから…」
「兄さんがマスタング大佐にべろちゅうされる前からずっといたよ兄さん!」
酷いよ、そんなヒロシみないなこと言わせないでよ!と叫ぶアル。
「え、いやあれはべろちゅうじゃあ……」
「何を誤魔化している鋼の。あんなに舌と舌を絡めておいて今さらそんな…」
「るせぇ黙ってろ増田。嘘も方便だってウルフルズが歌ってんだろ!!」
「兄さん、ウルフルズとかちょっと古いよ!」
「うるさいうるさい!!とにかくあれは全て大佐が悪いんだよ!強姦だったんだ!そう、アル、俺は貞操の危機だったんだよ!!」
「なっなんだって…!?」
鎧で表情は変わらないが、それでも相当の驚きを見せたアルは、それからふつふつと怒りがこみ上げてくるのを止めることは出来なかった。
「無理やりではなかったろう、鋼の。避ける機会はいくらでもあったはずだ。」
マスタングが言うが、それはアルの耳には届かなかった。
怒りで我を忘れたアルは、マスタングに詰め寄る。
「な、なんだね、アルフォンス。」
「僕は大佐を絶対に許さない…!!」
決意を込めた言葉とともに繰り出されるアルのパンチが、マスタングの顔面に飛ぶ。
「や、やめなさい、顔はだめだ顔は!!」
私はアイドルなんだぞ!!そんなことを叫びながら、顔をガードするマスタング。
すばらしい動きとスピードで格闘術を繰り出すアル。
勝敗は見えていた。

「今日の晩御飯何にするー?」
「じゃあ兄さんの好きなクリームシチューにしようよ。兄さんのミルクたっぷりいれてさ。」
「何言ってんだアル………?(汗)」
血まみれで倒れたマスタングを残し、兄弟はなごやかにその部屋を後にした。

寒。